「投資はなんだか怖いもの」この誤った認識で日本には投資が根付いていません。そこで投資を増やそうとして国がやりだしたサービスが
NISA
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。 (金融庁HP)
2014年にNISAがスタートして、2018年に積立NISAがスタートしました。
そして2024年に新NISAが開始しました!
新NISAでは、大幅な改善が実施されました!
- 非課税保有期間が無期限
- 年間投資額が年間360万と大幅に拡大
今回の記事では、
・NISAという制度の概要
・新NISAで資産形成をすると、いくら貯まるのか
をご紹介します。
NISAってなんだかわからん
結局どれくらいの資産形成ができるのか知りたい
積立NISAはどこの証券会社を使えば良いのか知りたい
NISAのメリットは?
とにかく特徴としては
配当金や、値上がり後に売却して得た利益にかかる税金が無料
ということです。
本来なら株で得た利益には20%の税金がかかります。
10万円利益がでても、2万円が税金としてもっていかれて、
8万円しかもらえないわけです。
しかし、NISAを使えば、その税金が免除されるのです。
10万円の利益はそのまま10万円でもらえます。
扱っている商品に限りはありますが、資産運用の本でもよく紹介されている
S&P500に連動する投資信託(eMAXIS Slimなど)はちゃんとあるので
困ることはあまりありません。
つみたて投資枠と成長投資枠
2024年から開始した新NISAでは
- つみたて投資枠
- 成長投資枠
の2つに分かれています。
それぞれの特徴としては
◾️つみたて投資枠
・年間投資枠:120万
・総枠 :1,800万
・対象商品 :長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
◾️成長投資枠
・年間投資枠:240万
・総枠 :1,200万(つみたて投資と合わせて1,800万まで)
・対象商品 :上場株式・投資信託等
成長投資枠の方が自由度が高い枠になります。
新NISA活用の基本戦略
資産運用の基本戦略は
インデックス株へのつみたて投資
です。
あらゆる本でこれが良いと言われてます。
かの有名なウォーレン・バフェットもインデックス投資をお勧めしています。
買う商品はインデックス連動型
インデックス投資がお勧めな理由は以下です。
- 勝手に分散投資となるのでリスクが少ない
- アクティブファンドと比べて手数料が低い
- 過去の実績を見ても平均4~7%の利回りが期待できる
買うタイミングは毎月一定額
プロの投資家じゃないので、買うタイミング慎重になっちゃいますよね?
できるだけ安い時に買いたいですよね。
高い時に買ってしまうようなことはしたくないですよね。
でも、やっぱりプロじゃないので、
そんなうまくはいかんのです。
(というかプロでもできないのです)
でも心配ご無用!大丈夫!
必殺技があるのです。
それが
毎月一定額の購入
です。
えっ?それだけ?て感じですが、それだけです。
なぜこれがいいのかというと、
株価自体は日々、変化します。
そんな中で毎月一定額で購入をすると
- 平均的な価格で買うことができる
- 安い時に多く買い、高い時に少なく買うことができる
となるわけです。なので、毎月一定額を使うのがいいわけですね。
早めに買えるなら買った方がいい
とはいえ!!
複利の力を最大限活かす方法は元本が大きいということです。
例えば株価が10%上がったとしましょう。
もし10万しか積み立てられていなかったら、利益は1万です。
100万だったら10万、1,000万だったら100万です。
10万しか積み立てていなかったら1万しか儲けられないですが
1,000万積み立てていれば、それだけで100万儲けられるのです。
株価は皆に対して等しく変動しています。
ただ、そのメリットの受け具合は、資産を持っていれば持っているほど大きいのです。
だから、富める人はより富み、貧しき人とは差が開く一方なのです。
なので、資産運用に回すだけに、資金の余力がある人は、
早めに使う、つまり5年で1,800万の枠を使い切るのが基本戦略となります。
自己投資>金融投資
とはいえ、とはいえ
若いときに一番投資価値がある投資対象はなんでしょう?
それは自分です。
金融資産はせいぜい5%くらいの利益しか生みませんが、
数十万のスクルールに通って、スキルを身につけて転職したら
数10%の収入の変化があったり、
時短できるような便利製品を購入して、
空いた時間で副業して、収益が発生するようになったら?
例えばもともと給与30万/月の人が副業で10万/月の収入を得られるようになったら
年利33%です。
金融資産は自分の時間を使わずに稼げるという利点はあるものの、
そのために日頃の他の支払いをケチって
人生の満足度やQOLを下げたり、自己投資を怠ってしまったら
元も子もありません。
そもそも投資できる資金が少ない段階でどんなに運用しようが、
たかが知れています。
1年間毎月1万をけちって、12万ずつ見立てるくらいだったら、
その1万を自身のスキルアップや生活改善に使って、
収入を20万でも、30万でも、100万でも増やして、
翌年にまとめて12万投資した方がいいです。
特に若いうちに投資のために、ケチる、なんて本末転倒なことはやめて
まずはそもそも稼げるようになりましょう!
投資は余剰資金で
一つ前と被りますが、投資や余剰資金でやるのが大原則です。
それは、ケチらないように、ということだけでなく、他にも理由があります。
まず1つ、余剰資金でやらないと、メンタル的に落ち着かない。
株価は短期的に大きく変動します。
生活のアテになるようなお金を投資に突っ込んでしまった場合、
その資産の増減が生活に直結するので、
株価の推移が気になってしょうがなくなってしまいます。
1日のテンションが株価に左右されてしまいます。
「XXさん、なんか今日元気なくない?」
「あー、今株下がってるからね。。。」
なんてことになっちゃいます。
さらにさらに、
下がってやばいやばい、と売ってしまった場合、
確実に損をするわけです。
先ほども述べましたように、株価は今までの長いトレンドを追えば
上がり続けているのです。
例えば株価が
10万→5万→10万→15万
と変動したとしましょう。
5万になった時に、
「やばばババババ」
と言って売ってしまった場合、
当初の10万は5万になります。
-5万円です。
ただ、
「あー短期的に下がっているのね。ホイホイ。」
と構えていたらどうでしょう。
待っているうちに15万になっているのです。
+5万です。
両者の差はなんでしょう?
買ったのは同じタイミングで10万です。
差は1つ。
下がった時に慌てて売ったか、どっしり待っていたか(もはや気づいてなかったか)。
これだけです。
気づいてないくらいでいいんです。
余剰資金なんですから。
そういう余裕が持てる範囲での運用をしましょう。
結局NISAで資産運用したらいくらたまるの?
新NISAの限度額1,800万円全て使って、資産運用をしたらいくらになるのでしょうか。
5年で使い切れるに越したことはないという話をしましたが、
あまりそんなことができる人もいないと思うので、
5万/月のつみたてをしたとします。
これも基本苦しいとは思いますが、仮でおいてみます。
月5万、年60万だと新NISA枠を使い切るのは30年後になります。
25歳から積み立てたとしても55歳です。
月5万って結構しんどいですよね?
しかも25歳の時なんていよいよ厳しい。
なので、もっとゆったりペースになる人も多いと思うので、
老後向けの資産形成はNISAだけで完結するって人も多いんじゃないでしょうか?
少なくとも20代-30代でNISA枠使い切れる人はほとんどいないでしょうから、
とりあえず若いうちに資産形成はNISA使っていりゃいいと、
そういう感じなわけです。
さて、話を戻してシミュレーションへ。
計算するには、複利計算が必要になります。
エクセルでもできますし、SBIなどの証券会社のサイトにも計算ツールがあります。
結果はこちら
◾️毎月5万 (単位 万円)
1年目 | 10年目 | 20年目 | 30年目 | |
積立額 | 60 | 600 | 1200 | 1800 |
年利5% | 60 | 776 | 2047 | 4125 |
年利6% | 60 | 819 | 2299 | 4968 |
年利7% | 60 | 865 | 2589 | 6020 |
年が増えるにつれて、上昇幅もどんどん大きくなりますし、
1%の年利の違いが長期的にみて大きな差になることがわかると思います。
ちなみにS&P500指数の直近30年で平均7%のリターンをだしています。
もちろんこれはあくまで平均ですし、インフレや為替のリスクもあります。
経済の中心が今後もずーっとアメリカとはならない可能性も大いにあります。
ですので、次の30年、40年も7%の成長が保証できるなどというものではありません。
ただ、今までの実績をみる限りは、
年7%の利回りを期待するのも、決して夢見心地のドリーマーとはいえません。
毎月5万NISAに回していて、株式の成長率が7%ならば、
6,000万の資産を築けるのです。
ちょっと前に老後6,000万円問題なんてものが話題になりましたが、
その足りないと言われている分も補えるわけです。
また、高配当な株式であれば、配当金が4%程度あるようなものもあります。
例えばこの6,000万で4%の配当を受け取れる状況を作れれば、
年に配当だけで240万、つまり月20万円の不労所得ゲットです。
もし家のローンが返し終わっていたりすれば、
これだけでも暮らせてしまう人もいるでしょう。
さらにこれに年金も加わりますし、まあ安心できるレベルといえますよね。
まずは新NISAを使い倒せ!
ということで、金融資産での老後に向けた
資産形成はNISA使い切っておけば
とりあえず不安ないレベルはクリアですね。
なので、とりあえず
余剰資金でNISAでつみたて投資をしちゃいましょう!
※将来的に配当金をもらうマシーンを目指す場合は、
ポートフォリオ考えながらやる必要もあるので
そのあたりはまたどこかで解説します!