思考力とは?
頭の良さとは何でしょう?
人によって色々なものを思い描くと思います。
アイデアが出せる
論理的な思考ができる
色々なことを知っている
IQテストの点数が高い
ここでは思考力を司る重要な能力として3つを取り上げて説明していきます。
- ロジカルシンキング
- 具体化/抽象化力
- 仮説思考
他にもキーワードレベルでいうと
「ラテラルシンキング」「クリティカルシンキング」「デザインシンキング」などがありますが、個人的にはロジカルシンキングの亜種みたいな感じに捉えているので、ここでは取り上げずでいこうと思います。
- もっと論理的に話してくれ
- 論理が飛躍しているよ
- 各論の話をしているわけではない
- それっぽいけど内容がないよう
- 正解があるわけじゃないからまず考えてみて
- ビジネスは学校の勉強とは違うんだよ
仕事現場でこんな課題を抱えている方、ぜひこの記事を読んで思考力を鍛えてください!
思考力の鍛え方
ロジカルシンキング
まずは、みなさん、聞いたことはあるでしょう。
ロジカルシンキングです。
ロジカルシンキングとは何なのか?
これについては、『ロジカル・シンキング』という本の中に答えが書いてあります。
色々ロジカルシンキングの本は読んできましたが、ロジカルシンキングの本はもうこの1冊が圧倒的に神様ですね。この本抜きにロジカルシンキングは語れない、というレベルです。
本の中にはこう書かれています。
論理とは、結論と根拠、もしくは結論とその方法という複数の要素が、結論を頂点に、縦方向にはSo What? /Why So?の関係で階層をなし、また横方向にはMECEに関係づけられたものである。(『ロジカル・シンキング』)
論理には縦の論理と横の論理があります。
縦の論理は因果です。原因と結果です。まずはこれが繋がっていることが論理的であるための第一の条件です。
論理的じゃないなと思うことって、AAAだからBBBをした、の時のBBBの納得感がない時だったりしませんか?
論理が飛躍しているよ、といったりするようなやつですね。
こっちは論理的、と言われてみなさんがイメージすることかなと思います。
で、もう一つが横の論理と言われるものです。MECE(ミッシー)と言われるものですね。
元々コンサルティング会社のマッキンゼーがいい出した用語で、コンサル用語でしたが、今ではずいぶん市民権を得つつあるワードかなと思います。
Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの頭文字をとった用語ですが、日本語にする「漏れなくダブりなく」です。
「ほんとにそれだけ?」とか、「なんか被ってない?」って言われたりしないようにしようね、という話です。
例えば、インタビューをしようとした時に
「男性と女性50名ずつにインタビューしました」と言われれば、違和感はないですよね。
一方で
「20-30代と50代以上にインタビューしました」と言われたら
「おいおい、40代どこいった?10代以下は、学生だからとかかもしれないが、40代だけ聞かないなんて、40代に恨みでもあるのか!?」
となりますよね。
「男性と小学生にインタビューしました」と言われたら
えっ、男性かつ小学生もいるじゃん、となりますよね。
この違和感がないようにするのが横の論理=MECEです。
フレームワークって聞いたことありますかね?
マーケティングの4Pといわれるやつや、SWOT、5Force、AIDMAなど色々あります。
これらは、この分類で調べれば網羅的に検討できてることになるんじゃないの?という枠組みなのです。
縦の論理を構築するときは、自分の中の勝手な前提によって論理が飛躍するケースがあります。勝手な仮定を置かないように気をつけましょう。
例えば、雨が降っている日はカレーを食べると決まっている人がいます。
(いや、そんな人はいないですけどね)
その人からすると
今日は雨が降っている。だから、夜ご飯はカレーにしよう。
これは当然の帰結、つまり、因果が成りたっているのです。
ただこれは
今日は雨が降っている(→雨の日はカレーを食べる)→今日はカレーを食べる
他の人からすると、この()内は当然ではないので、論理的に感じないわけです。
次に横の論理、これは慣れないと難しいですね。
例えば、今日は日本食が食べたい!
これをMECEに、論理的に説明しようとすると
中華料理、イタリアン、フレンチと比較しないといけないわけです。
ただ、ファストフードは?インド料理は?ネパール料理は?
でも、インド料理とネパール料理ってほぼ同じじゃない?分けないとダメ?
そもそも中華料理の中にも四川料理とか種類あるし、、、
みたいになっちゃうわけですね。
こんな感じで本当に漏れなくダブりなくって、ほとんどの場合難しいんですよね。
だからこそ網羅感ある感じ、ということでフレームワークがあるわけです。
また、漏れなくダブりなくする時には、粒度を揃えるということが大事です。
例えば、和食と四川料理どっちがいい?て聞かれるとちょっと違和感ありますよね。
「中華は四川料理縛りなのね」と。
これが粒度が揃ってないが故の違和感です。
もうちょっと具体的にいうと粒度って何なのでしょう?
それは次の具体と抽象でご紹介します!
具体化/抽象化
「抽象化を制するものは思考を制す」といっても過言ではないぐらいにこのちゅしょうという概念には威力があり、具体と抽象の行き来を意識することで間違いなく、世界がわかって見えてきます。
人間が頭を使って考える行為は、実はほとんどが何らかの形で「具体と抽象の往復」をしていることになります。つまり、「具体化」と「抽象化」が、人間しか持っていない頭脳的活動の根本にあるということなのです。(『具体と抽象』)
学問の目的は、大抵の場合は具体的事象から理論を導いて抽象化して理論化することで汎用性を上げることですが、工学は基本原理から応用例を作りだして実践に繋げるのが主な目的といえます。徹底的に抽象度を高めた学問の代表が数学と哲学です。(『具体と抽象』)
どちらも『具体と抽象」という書籍から持ってきた文章です。
頭いい風でよくない人には2パターンいます。
1つ目は、「何か言っている風で、何も言っていない人」
これはつまり抽象的なことしか言っていない人ということですね。
「コンサルタントは使えない。それっぽいことを言っているだけで実務のことがわかっていない。頭でっかちなだけだ。」みたいなのもまさにこの抽象の話しかしておらず、具体の話日程ない例です。
「経営学通りに、ビジネスはいかない。」
これも同じですね。実務になると具体の世界になるのです。だからこそ、学術的な理論などはそのまま適用できるとは限らないわけです。
実務の世界に行くときは具体の話をしないといけないのです。
勉強熱心で間違いを恐れやすい人はこの具体化が苦手な人が多いです。
理系脳、みたいな、「要するに」で全部括ってしまう人も注意ですね。
実務、ビジネスの世界では、この具体の差こそが重要なのです。
2つ目は、各論の話をしすぎていて、全体感がない人です。
これは抽象化ができていない人ですね。
SNSのクソリプは大体これです。具体は実際に見えるものなので、動物的に理解しやすいものです。一方で、抽象の世界は目に見えないものなので、理解しづらいです。
1聞いて10理解する、というのは、相手の言わんとすることを理解するような共感力、読み取り力に起因する場合もありますが、この抽象化力に起因することも多いですね。
例えば、
コーラばかり飲んでいたら、太ってしまった
→コーラが悪い、コーラをやめよう
と考えるのか
→コーラが悪い。コーラ同様、糖分が多い清涼飲料水というのは健康に悪い、清涼飲料水全般を制限しよう
とするのかで、目的の達成スピードが段違いなのは想像できるでしょう。
このように、具体化力だけあっても、各論バカになってしまいますし
抽象化力だけあっても、それっぽいこと言うだけ詐欺師になってしまうのでどっちも大事なんですね。
どちらかが大事なのではなく、両方大事なのです。
これらの鍛えるのもまたまた難しいのですが
まずは
抽象化 = 共通項を見つける
具体化 = 差分を見つける
という認識を持って、思考を深めてみるのがおすすめです。
「具体の話を聞いているのではないよ」と言われたら、類似事象も含めて共通項を考える、つまり何なの?と考える
「もっと具体的にして」と言われたら、類似事象との違いを考える、この件特有のことって何だろうと考える
そんな感じです。
仮説思考
最後に今まで2つとはちょっと別軸になりますが、仮説思考というものについてお話しします。
学校では唯一の答えがあるものについて、事前に答えを学び、それを引き出す、と言うトレーニングをしてきました。
真面目に勉強をしてきた人ほど、無自覚に、「どんな問題にも、唯一の答えがあり、それは誰かが知っているものである」という思い込みをしてしまっていたりします。
ただ、現実世界はほとんど唯一の答えなんてものはないのです。
「理論上これが正しい」みたいなのはあったりしますよ。
ただリアルの世界でに問題は、様々な要素が絡み合った複雑な問題であ離、誰かが答えをし知っているわけではないのです。
そりゃ答えがわかっているなら、どんな会社も成功しますよね。日本も失われた30年なんてことになりませんよね。
そういった答えがない世界での問題解決において、非常に重要な考え方が
仮説を持つ
ということです。
未知の世界を探求する科学者も、皆必ず仮説を立てて、研究をしています。
仮説を持つことで、求めている答えに達することができるのです。
なぜでしょう?
正確に言うと、「仮説を持つ+それを検証してフィードバックを得る」
ということが一番のポイントです。
例えば、砂場の中にある砂金1粒を探すゲームがあります。
1回調査をすると、どれくらい近くにあるかの情報がわかるとします。
これはどうやってクリアしますかね?
一番最悪の手法が、「どこにあるのだろう」とうんうんと頭を捻って考えて、何も行動しない状態です。わかるわけないんだから絶対に見つかりません。
それよりましなやり方は隅っこから、しらみつぶしにする方法です。
これはいつか見つかりはするので、うんうん考えるよりはよっぽどいいですね。
優れた方法は、勘でいいので「あそこなんじゃないか」と調査をする。
そして結果ゲットできる「どれくらい近くにあるのか?」という情報をもとに、次の調査場所を決める→調査する→情報をもとに次の調査場所を決定する→これを繰り返す
というやり方です。
このゲームだったら、流石にみなさん一番良いというやり方をやるでしょうが、
現実世界では意外とこの一番悪いやり方をしている人が多いんですよね。
なかなか行動しないで、ずーーっと考えている。ずーーーっと調べている。
これではいつまで経っても辿り着きたいところには辿り着けないのです。
仮説を立てて実験してみる、まず行動してみる
→フィードバックを得ることができる
→フィードバックをもとに次のアクションを決める
こうすることで、最速で答えに近づくことができるのです。
先ほどの砂金探しは、勘なのでまず動いてみようという話に近くなってしまいますが、ここにありそう、というものの精度が高ければ高いほど、最短で答えに辿り着くことができます。
他にもう一つ、良い仮説にとって大事なことは
「具体的であること」です。
また出ました。具体性。
仮説が、あくまで”仮の”説なのです。
そして、仮説を立てる意味は、外さないことではなくて、「次のアクションにつながる良いフィードバックを得れる」ことです。
そりゃそうだよね、となるような、だいたい正解になるような仮説に意味はないのです。
ただ、間違えることを恐れる人は、そりゃそうだよね、みたいな仮説(もはや仮説ではなくて一般論)をたてて検証してしまうのです。
一般論を検証して「正解でした、」といっても何の示唆も生まれません。
ほんとかな〜、というものを検証して「正しかった/正しくなかった」とわかることに意味があるのです。「正しくなかった」という結果も、大事な結果です。
間違えることは悪いことではありません。
むしろ間違える可能性があるレベルの仮説でない限り、検証する価値はないですし、間違えないレベルの問題は解く価値がありません。
「仮説を持って検証する」
これを大事にしてください。
思考力を鍛えるためには?
思考力の鍛え方、これが難しいんですよね、、、
ロジカルシンキングは
- ピラミッドストラクチャーを作ってみる
- ケース面接、フェルミ推定の問題を解いてみる
- フレームワークを使ってみる
王道としてはこの辺り。
具体と抽象は先ほど話しましたが
- 共通点/相違点を考える
- つまり?/例えば?と問いを立てる
他にも、先ほど紹介した本のトレーニング本もあるので、こちらを使ってみるのもありですね。
仮説思考は、何でもいいです。仮説を立てて、検証してみてください。
わかりやすいものとして
- 自分のやりたいこと
これを仮説おいてみてください。
どうも「やりたいことが見つからない」という人が多いですが、見つからないと言いながら、仮説もなく、行動もしていないので、それでは当然見つかりません。
「これかな?」くらいでいいので、まず仮置きしてみるのです。そして、そうなんだとすると、で行動してみてください。
そうすればあっている点、間違っている点が見えてくるのです。フィードバックを得ながら修正していけばいいのです。
思考力をビジネスで活用せよ
どんな職業の人でも、この思考力というのは必要になってくるでしょう。
ロジカルシンキング、具体と抽象、仮説思考
これらを意識して、ビジネス基礎力をあげてください!