プレイヤー → マネージャーになる
これは実はとんでもなく大きな変化なのですが、なかなかマネジメントというのは教わることがなかったりして、我流でやらざるを得なかったりします。
そこで今回は、マネージャー/リーダーになったら、最低限知っておいたほうがいいと思う理論を3つご紹介します。
- PM理論
- SL理論
- 自己効力感/組織効力感
自分はマネージャー歴2年で、まだまだひよっこですが、本当に苦労しました。(今もしています)
その中で、「最初に知っておけたらよかったな」と思うことだけを厳選してご紹介します。
管理職は罰ゲームなんて言われたりしますが、
「個人個人の強みを活かし、組織の成果を最大化させる」
これってすごいことじゃないですか!?
社内のメンバーの人生にも影響を及ぼし、組織の成果もあがり、結果的に世の中への貢献量にもレバレッジをかけることができる。
マネジメント層の量と質こそ、日本が豊かになるための最重要テーマだと思います!!
PM理論
まず、マネージャー、リーダーの役割とは何か?という話ですが、それをわかりやすく表しているのがPM理論です。
P:Performance = 目標達成機能
M:Maintenance = 集団維持機能
Pが成果を上げるための能力で、Mが集団をまとめるための能力ですね。
鬼軍曹型みたいななのがPが強い人で、チーム一人一人に気をかけていけるような人がMが強い人です。
日本では、プレイヤーで評価された人がマネージャーに昇進するというケースが多いと思います。
プレイヤーで活躍していた人が、マネージャーになると成果が出せなくなるという場合、PかMのどちらかが足りないということになります。
例えば、自分に厳しく常に自己研鑽をしているようなタイプは、責任感も強くプレイヤーとしてのスキルは高いので、自分なりに言語化された知恵もあり目標達成機能は高い。
一方で、自身の高い基準をメンバーにも押し付けてしまったり、共感性が低かったりして、チームの士気を挙げられず、だんだんメンバーは疲弊していく。
こういう形になります。
(自分はまさにこれでした。。。)
一方で、コミュニケーション力を武器に成果を出してきた人の場合、集団維持能力も高い傾向にあります。しかし、自分の固有の特性/ノウハウで成果を出しているので、メンバーに伝えるというのが難しく、目標達成機能が低くなってしまうことがあります。
どちらか一方ではダメで両方必要なのです。
SL理論
先ほどのはリーダーに求められる役割が2種類だという話をしました。
そしてそれらの機能の発揮の仕方は、メンバーによって使い分けないといけない、というのがSL理論です。
部下の成熟度を4段階に分けます
1.何をすべきかわからず、ミスが怖いと感じている
2.何をすべきかはわかっていないが、積極的に学びたいと感じている
3.何をすべきかはわかっているが、一人でこなせるかは不安
4.何をすべきかよく理解し、楽しんで業務をしている
この成熟度に合わせて「指示的行動」と「援助的行動」を分ける、という理論です。
指示的行動は、ティーチング的行動で
援助的行動は、コーチング的行動です。
教示型
まず1の何をすべきかわからず、ミスが怖いと感じているメンバーには、指示的行動を多くする「教示型リーダーシップ」というのをはっきする必要があります。
手取り足取り教えて、自信をつけさせていくフェーズですね。
具体的な実施内容としては
「やり方を丁寧に教え、頻度高くレビューや声掛けをする」
説得型
徐々に自信はついてきた、だが、まだスキルは不足している、何をすべきかはわかっていないが、積極的に学びたいと感じている状態の部下に対しては
指示的行動と援助的行動を組み合わせていきます。
色々やっていきたいと思っているので、マイクロマネジメントをするとやる気が削がれてしまいますので、細かく指示しすぎるのは良くない、とはいえ、まだスキルはないので放置もしてはいけない、というところで一番難しいところですね。
やる気を削がないようにしつつ、うまく方向づけてあげることが重要です。
なんか説得型、って言葉とは合わないですね。。
具体的な実施内容としては
「目的をしっかり伝えた上で、本人に案を持たせながら取り組ませる。報連相は適切に実施。」
参加型
スキルはあるが、まだ自信がない状態です。
スキルがない時は、物事の難易度や重要性ってのも十分に理解できなかったりするので勢いでやれたりしますが、スキルがついてきたからこそ、逆に不安になる、そういうことってありますよね。
そういう状態です。
「何だか前より随分任せられることが増えてきて、あまり指示されることなくなってきたな。でも本当にこれでいいんだろうか。。。」そんな不安に駆られる状態です。
こういった状態のメンバー(内部的には小さなチームのリーダーをやらせていたりするかもしれません)に対しては、不安を取り去ってあげられるようなコミュニケーション、応援する・褒めるようなコミュニケーション、といった援助的行動を中心にしていきます。
最後の責任は上司である自分が取る、というようなことも含めて安心してチャレンジできる環境を作ることが求められます。
具体的な実施内容としては
「意見/考え/不安を聞く。」
委任型
スキルも自信もついている状態。
そうなったらあとはしっかりと責任を権限を渡していきましょう。
放任にならないようには気をつけて、自信やモチベーションをあげられるようなコミュニケーションをとっていきましょう。
具体的な実施内容としては
「全面的に任せ、結果だけ報告させる。プロセスに口出ししない。」
自己効力感/組織効力感
最後に、理論ではないですが、結局マネージャーの役割として何をしたらいいのか?を考えるときに知っておいてほしい考えをご紹介します。
なんだかんだ大事なのはやっぱりモチベーションをあげること、エンゲージメントを高めることなんですよね。
となったときに気にしておくといいのが自己効力感と組織効力感です。
自己効力感:自分ならできる、という気持ち
組織効力間:我々ならできる、という気持ち
大事なのは気持ちですね。できているかどうかではないです。今できているかどうかは関係ないです。
できそうだ!と前向きな気持ちになれるかどうか。
自分ならできる!我々ならできる!と思っていれば大変な時でも、めげずにがんばることができます。
いかにこの気持ちを生み出していくかに向き合うのが重要です。
以下の記事がよりわかりやすいと思うので、リンクを貼ってきます。
https://unite.unipos.co.jp/3031/
理論を知れば少しは対応法が見えてくる
結局これらのスキルを身につけるためには、どんなトレーニングをしたらいいのでしょう?
まず1つ大事なのが、MPアップです。特に自分を知ることですね。実はこれが結構大事です。
同時に相手を知ることも大事です。マネジメントのスタートはとにかく相互理解。
まずは信頼関係を作る、これがないことには何も始まりません。
そのためにも対話です。一番わかりやすいのは1on1ですが、届ける言葉1つ1つ、見せる振る舞い1つ1つが影響を与えます。職場での振る舞い、コミュニケーションにおいて、
自身と相手を理解し、相手に合わせて(SL理論)、自分の得意不得意も理解した上で、相手の自己効力感/組織効力感を高め、成果を向上させ、士気を高める。
そのための行動をPDCAを回しながら実施しましょう。
もっと詳しく知りたい人のための本
マネジメント関連でのおすすめ本は以下です。